2022年度
神成研究室最後の修士学生 葉京武君 がレーザー学会東京支部研究会においてポスター発表優秀賞を受賞
2022年度は神成先生が定年退職前の最後の年度であったため、学生は学部生と修士2年がそれぞれ1名でした。
彼らは、Q-Leapプロジェクトからの支援のもと、ショット超高速コマ撮りイメージング(STMP)法の最後の仕上げのために1年間実験を頑張ってきました。
葉君は、THz波パルス内でバースト的なイメージショット法を電気光学効果を用いたSTAMPでイメージングするというフェムト秒レーザー、THz波、電気光学効果、STAMPを集約した大掛かりな計測実験を1人で取り組んできました。
その成果は2023年1月のレーザー学会年次大会においても口頭発表しましたが、3月3日にレーザー学会東京支部主催で開催された「レーザーと先端物質科学」研究会においてポスター発表し見事にポスター発表優秀賞を受賞しました。
修論提出後も毎日実験を継続して仕上げまで漕ぎつけた根性の賜物です。
おめでとうございます。
神成研究室は神成文彦教授が2023年3月末でご定年退職にともない閉じることになりました。長年のご支援に感謝いたします。
1993年4月神成文彦先生の助教授就任と同時にスタートした神成研究室は、光・量子エレクトロニクス分野における研究に貢献し続け、2023年3月まで165名の卒業生を社会に送り出してきました。この度2023年3月末で神成先生が65歳定年退職を迎え、新川崎および矢上の実験室ともども研究室を閉じる運びになりました。大学、学会、産業界、政府関係の多くの方々にこれまでのご支援いただきましたこと、心より感謝いたします。
1993年頃はエキシマーレーザーを中心としたガスレーザーから半導体レーザー励起固体レーザーに研究の中心が移り変わろうとする時期であり、いかに巷の主流な大型研究テーマの隙間にきらりと光るニッチな研究テーマと技術開発のシーズがないかを求め、当初は苦労しましたが、フェムト秒レーザーパルス制御をコア技術としたフェムト秒フーリエ光学を駆使することで、コヒーレント制御、超高速ナノメートル分光、2光子励起顕微計測、単一ショット超高速イメージング、フェムト秒スクイージング光、THz波イメージ計測、さらには青色半導体レーザー励起固体レーザー等々の研究成果を世に送り出すことができました。
大学の研究室の出口目的は人材育成にあり、高度な研究は高度な教育のための手段です。165名の卒業生が研究室で培った学問の基礎とプロジェクトマネージメント力、協同して働く能力を携えて、今後も継続して学び続けることで社会に貢献してくれることを期待しています。
2023年3月5日には、OB/OG主催による神成研究室最終コロキュウムが新高輪プリンスホテルで開催され60分の神成先生による「閃きとブレークスルー」というタイトルの講演が行われました。平日にもかかわらず70余名のOB/OGが集まり盛大な会となりました。神成先生は慶應義塾大学名誉教授として文科省、JST、レーザー学会、財団等の委員を継続され、いくつかの研究アドバイザーの仕事も続けられるそうです。
慶應義塾大学理工学部電気情報工学科には神成研OBの武岡正裕教授、田邊孝純教授が在籍しています。神成先生の人材育成への熱意と研究への真摯な取り組みはお二人の研究室で受け継がれていくことでしょう。
長きにわたりありがとうございました。